本文へ移動

ブログ

ブログ

No.121  この半年で何が変わりましたか?

2024-07-01
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
今日は7月1日、1年の折返しですね。
ビジネスでもプライベートでも、日々目の前の課題に真剣に取り組んできた方々にとっては、あっという間の半年間だったのではないでしょうか。

日々忙しくしていると、それなりに達成感や充実感もあるでしょう。
しかし、立ち止まって「半年前と比べて何が変わったのだろう」と考えてみると、あまり変わっていない現実を自覚せざるを得ないことも少なくありません。
私自身もこの週末、このことを考えていました。

企業活動の目的は「顧客の創造」であり、自社の商品・サービスを適正な価格で喜んで買ってくれるお客様を増やすこと。
その結果として、売上・利益の数値目標を達成することを目指しているはずです。

しかしながら、会社を維持するためには背に腹は代えられず、自社の数字形成を優先した取り組みに終始してしまう。
それゆえ、振り返ってみると、事業戦略も組織運営も「顧客の創造」にはつながっていない。
これが、ヒト・モノ・カネのリソースが少ない中小企業の実態のように思います。

だからこそ、節目節目で立ち止まって考え、社内で議論する時間も必要です。
・自社の商品・サービスの差別的価値は何なのか?
・顧客メリットに軸を置いた取り組みは、何ができていて何ができていないのか?
・差別的価値と顧客メリットを訴求するプロモーションには何が足りないのか?
これらは一例ですが、個々の会社において議論するテーマは色々あるでしょう。

合わせて、顧客メリットと自社の利益を両立するためのオペレーションの仕組み構築が極めて重要ですが、
これがなかなか進まない。
どんなに素晴らしい理想を掲げても、それを実現する業務プロセスが伴わない限り、
どう考えても実現するはずがありません。

「そんなことはわかっている」と言われる経営者の方も多いことでしょう。
弊社も、クライアント企業の組織に深く関わり、キーパーソンの方々と一緒に経営改善を進めているので、
現実変革の難しさは痛いほど感じています。
しかし、そうは言っても、変えるべきことは変えていかなければなりません。

現実変革が進まないのは「現状維持バイアス」の影響が大きいでしょう。
一般的に「現状維持バイアス」とは、未知のものや変化を受け入れられず、現状維持を望む心理作用のことです。
「損失や失敗を回避したい」というのがその代表的な心理です。

これは、社員だけでなく経営者にも当てはまることです。
経営者としては「売上・利益が落ちるのは困る」と思うのが本音でしょうが、
これも「損失を回避したい」という現状維持バイアスとも言えます。
それなのに、社員に対して「現状維持ではダメだ、新しいことに挑戦しなさい」と言って丸投げしているのは、
いいとこ取りで筋が通らない話です。

現状維持バイアスから抜け出すには、数値やデータを駆使して、現状維持がいかに危険なのか、
デッドラインはどこかをはっきりさせる必要があります。
だだし、それだけでは片手落ちで、どういう状態になったらどんな良いことがあるのかも示す必要があります。
「危機意識を持たせると社員が辞めてしまう、社員のやる気が落ちる」という経営者もいますが、
そのような会社は現状維持バイアスから抜け出せず、結果として商品・サービスの価値が下がり、
いずれ立ち行かなくなるのは目に見えています。

弊社に対して「社内で危機感を持たせようとしても何とかなるだろう的な甘えが出てしまう。
客観的な視点での外圧は絶対に必要。だからお願いしたい」という依頼を受けることもよくあります。
中には「自分のような中小企業のオーナー経営者は誰からも何も注意されない。
役員の間でも互いの立場を尊重するような空気感から本質的な指摘をし合うことも難しい。
このままでは根本的には何も変わらない。だから外部からの指摘や提案をお願いしたい」
と強い危機感を示す社長もおられます。

役員と社員が一体となって、社内で強い危機感を共有しながら改革を進めていければ理想ですが、
スピードと成果を求めるなら、弊社に限らず信頼できる外部の力を使うことも選択肢の一つだと思います。

この半年で何が変わりましたか?
この問いに対する答えを言語化することから、後半戦がスタートするのではないでしょうか。