本文へ移動

ブログ

ブログ

No.13 社長の一番の相談相手は誰ですか?

2021-09-24
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
経営者、特に社長は孤独だとよく言われます。
特に中小企業のオーナー社長は、会社経営すべての最終決断と責任を担う立場であり、そのストレスは相当なものです。
社長といえども正しい答えを持っているわけではないので、日々迷いながら、トライ&エラーを繰り返しながら、経営を良くするために奮闘しているのが現実でしょう。

そのような社長、あなたの一番の相談相手は誰ですか?
今回のブログでは、社長が決断するときの拠りどころや相談相手についてお話ししたいと思います。


■孤独な社長の拠りどころとは

社長の最大の仕事は、決断して責任をとること。
そのためにも「衆知を集めて一人で決める」ことが大事だと私は思っています。
立場の違う人たちの言葉に耳を傾けて、知恵を集め、最終決断は自分ひとりで行う。
中小企業において決断したことの最終責任をとれるのは、オーナー社長だけです。
自分ひとりの責任において決断するという意味で、社長は孤独であるといえます。

正しいことと正しくないことの選択であれば誰も悩みませんが、
社長であっても正しいかどうかわからないことが多いでしょう。
自社の視点、顧客の視点、利害関係者の視点、社会の視点、社員の視点など、
どの立場に立ってモノを見るかによって、誰にとってどう正しいのか、今はどの正しいを選ぶのか、
日々難しい決断を迫られます。

社長自身が納得して決断するためには、拠りどころが必要です。
その拠りどころを何に求めるか?
それは、企業理念であったり、原理原則を説いた本の言葉であったり、
信頼できる誰かのアドバイスであったりします。
孤独な社長だからこそ、悩んだとき、迷ったときに、背中を押してくれるような拠りどころが必要なのです。


■社長、悩んだときはどうしていますか?

社長が悩んだとき、迷ったときにどうしているかと尋ねると、多くの社長は次の3点を挙げていました。

①経営者仲間に相談する
身近な相談相手として一番多いのは、経営者仲間や先輩経営者です。
入口としては勉強会や異業種交流会が多いですが、その人脈が人を介して広がり、
話す機会が増えていくうちに、次第に身近な相談相手になっていくようです。
置かれた境遇も近い場合が多く、問題意識を共感し合える相手です。
一方では、相手の経験や価値観に基づくアドバイスが多く、業種や経営環境や経営資源の違う他社の事例は、
現実的にはあまり役に立たないと言っている社長もいます。

②外部専門家に相談する
経営をサポートする専門家(弁護士、税理士、社労士、経営コンサルタントなど)の信頼できる方々と
顧問契約を結ばれて、各専門分野の事案について随時相談できる体制になっている会社も少なくありません。
一方で、社長が本当に悩む問題は、専門分野に特化したものとは限らず、
法務・税務・財務・労務・戦略マーケティング・組織運営など複数の分野が絡んでくることが多い。
それゆえ、複数の専門家に正確な情報を提供して調整する役割が社内に必要となります。
それが無いために外部専門家を横断的に活用できていない会社も多く見受けられます。

③ヒントになりそうな本を探す
問題解決を通して自分自身も成長したいという想いが強い社長は、悩んだときには本を探す人も多いです。
本を読むことで、経営の原理原則を学んだり、自分に無かった視点に気付けたり、
自分の考え通りでいいんだと勇気が湧いたりします。
しかし、目の前の問題で悩んでいるときに、じっくり本を読むことに集中できるか、
個別性の高い問題解決に役立つような情報や気付きを得られるかどうかは疑問です。
経営者は本来、日頃から本を読んで、大事なことは自分の頭の引き出しに入れておいて、
いつでも取り出して使えるようにしておくべきです。


■社長の相談相手に必要なもの

前段のように、社長の相談相手としてリアルで多いのは、経営者仲間と外部専門家。
もちろんその人たちは、社長が求める知識や見識を持ち、大事にしたい価値観を共有でき、
社長を叱咤激励してくれるような、人として信頼できる人たちでしょう。
それを前提として、さらに社長の相談相手に必要なスキルがあります。
これが欠けている人には、長きにわたって社長と会社の成長をサポートし成果を出すことはできません。

それは「質問力」であり「対話力」です。
さまざまな視点から質問をし、そこから対話を広げたり深めたりしながら、
社長の悩みの本質をとらえ、やるべきことを明確にしていくスキルです。
表面的な問題解決だけでは、雨後のタケノコ、モグラたたきのようなものです。

・社長は何に悩んでいるのか?
・どんな事実が起きているのか?
・その事実が起きている理由や背景には何があるのか?
・このままだと将来どんなリスクがあるのか?
・社長はどうしたいのか?
・そのためにこれまでどんなことをやってきたか?
・これからできることは何か?

以上は対話の入口としての質問の例ですが、対話から生まれる効果は計り知れません。
相応のスキルを持った人と対話をすることで、気付いていなかったことに気付き、
適切に言語化する力がつき、思いもしなかった答えが導き出されたりします。

弊社も「質問力」や「対話力」を駆使して社長と真摯に向き合うことを心掛けています。
それこそが、社長の一番の相談相手に必要な条件だと思っています。