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No.23 仕組みづくりは人づくり

2021-12-02
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
弊社は伴走型のマネジメント支援をしているため、クライアント企業の社員の皆さんと直接関わることも多くあります。
そんな中で、社員さんから時々「個人的に相談したいのですが…」と話を持ち掛けられることもあります。
相談してくるのは、たいてい社内でも仕事ができると思われている人です。
こういう時は、往々にして「会社を辞めたいと思っている」というようなネガティブな話が多いものです。

こういう社員は、給料が安いとか、休みが取れないとか、人間関係に疲れたとか、そういう次元のことを理由にしていません。
自分の中で理想(あるべき姿)のイメージを持っており、それと現実のギャップがあまりにも大きく、それを埋められる気がしないといった感じです。

自分なりにできることはやり、必要と思うことは提案しているが、それに対して周りの人たちからの意見もない。
自分から毎回アクションを起こさないとそのうち曖昧になってしまう。
毎回この繰り返しで疲れてしまう。
周りの本気度が全く感じられない。
社内で決めたことでさえも、何も動き出さない。
とにかく頑張るしかないけど、自分だけが空回りしている感じがする。
こうして、次第に不安があきらめに変わっていき、このままこの会社に居ていいのかという思考になってしまいます。

このような傾向は、想いがあっても仕組みがない会社に多く見られます。
企業理念に共感し「こういう会社で仕事がしたい」と思って入社するような意識が高い社員ほど、
会社がその理念を本気で目指そうとしていないと感じてしまったら、やる気をなくしてしまうのも当然です。
本来なら、理念を実現するために一番戦力になってくれるはずの社員のやる気をなくしてしまう。
非常にもったいないことです。

一般論ですが、決めたことをやらない組織に嫌気がさしている社員が2割います。
2・6・2の法則でいう上位2割ですね。
経営者としては、まずはこのクラスの社員を見極め、巻き込んで、持てる力を十分に発揮してもらうことが
優先課題になります。
そのためには、経営者層の本気度が問われるのは当然であり、経営者自らが先頭に立って
率先垂範する姿勢を見せることが必要です。

一方で、他の8割の社員の行動をいかにして変えるか。
上位2割の社員に引っ張られて、他の8割の社員の意識も変わると思いますか?
私の経験では、かなり無理があると思っています。
人の意識というものは、よほど大きな刺激でもない限り、そう簡単には変わりません。
一時的に意識が変わったような行動が見えても、その行動が定着することはほぼありません。
「行動を変えるために意識を変える」よりも「行動を変えるために仕組みを変える」の方が
圧倒的に変化のスピードが早くなります。
行動が変わった後に意識も変わって習慣化していく、というサイクルを目指す方がより現実的だと思います。

仕組みづくりは人づくりです。
仕組みがしっかりしている会社では、必ず人が育っていきます。
仕組みづくりに真剣に取り組んできた有名企業の経営者は、以下のようなことを言っています。

「日々の仕事環境の中で、必要な力が自然と身につくように、制度やルール、環境を整備し、
それを愚直にやり続けた。社員の能力を上げるために特別な教育をやったわけではない。
仕組みを作ることで人を進化させた」
「人を進化させるには仕組みが必要だ。教育も一つの仕組みだが、ルールに沿って行動していくと
自然と力がつくというのは優れた方法論だ。
この組織の人材をどう進化させたいのか、そのためにどんなルール、制度を作ればいいかを考えることが重要だ」

あなたの会社では、社内の仕組みを通して人が進化するようなルールや制度を取り入れていますか?