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No.32 あいまいさが企業存続の命取り

2022-02-10
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
このブログを書いている今、外は雪が降っています。
首都圏に近いほど降雪量が多そうなので、社会経済活動に大きな影響が出ないことを祈っています。

さて、今日のブログのテーマは「あいまいさ」です。
中小企業の経営者と話している中で、いろいろなことをあいまいにしているケースが多いと感じています。
例えば、戦略があいまい、理念があいまい、指示があいまい。

私からすると「なぜもっと明確にしないのか?」と疑問に思うのですが、「できるだけ多く○○したい」という経営者の欲求から、一つひとつを明確にすることを避けているようにも感じます。
・できるだけ多くのビジネスチャンスを取り込みたい。
・いろいろな個性や能力を持った人材を広く採用したい。
・指示待ちではなくて自分で考えられる社員を増やしたい。
いろいろを明確にすると、これらの可能性を狭めてしまうということです。

しかし、これらは経営者の逃げの口実でしかありません。
「決める」という経営者の責任から逃げていると言わざるを得ません。
いろいろをあいまいにしていて、経営者が望むような結果が得られることは断じてありません。
逆に、このあいまいさが企業存続の命取りにさえなってしまいます。

あいまいな戦略では、持続的な利益を生み出すことはできません。
「売上につながることは何でもやる!」
いつの時代か?と思うようなことを自慢げにいう経営者には、大丈夫か?と思ってしまいます。
マーケット全体の拡大成長が望めない環境の中で、ヒト・モノ・カネ・情報・時間などの
リソースが限られている中小企業が生き残るには、顧客ニーズを絞った差別化集中戦略しかありません。
戦略とは何をしないかを選択すること。
取れるリスクと取れないリスクを見極めることでもあります。

あいまいな理念では、自社の存在価値を伝えることはできません。
企業理念は、自社が選ばれる理由になります。
顧客が自社の商品・サービスを選んでくれる理由、また、働く人がこの会社で働きたいと思ってくれる理由。
自社の考え方が明確に表現されていなければ、選ぶ理由にはなりません。
耳障りのいい言葉を並べたありきたりの企業理念では何も響かない、ということです。

あいまいな指示しか出していないのに、成果が出ない社員を批判するのもお門違いです。
期限を守らない、仕事の質のレベルが低い、目標達成には程遠い。
これらは、期限の日時、仕事の出来栄え、目標達成の状態を上司がハッキリと示していないことに起因して、
上司と部下のゴールのイメージが違っていることが多いものです。
指示があいまいにもかかわらす、結果について理不尽に責められる社員は、どんどん疲弊していってしまいます。
もちろん、部下本人の取組姿勢にも問題はありますが、大前提として、
上司は「明確な指示を出す」をいうことを常に念頭におくべきです。

以上のことは、当たり前のことだと思われる方も多いでしょう。
しかし、わかっていてもできていなければ、意味がありません。
地方で多くの雇用を生み出している中小企業が、本当の意味で社会から必要とされる会社であり続けてほしい。
そこで働く人たちも、誇りと喜びをもって仕事を続けてほしい。
そのためにも、経営者の皆さんには、あいまいにしていることを明確にすることに取り組んでいただきたいし、
弊社もそのサポートに日々取り組んでいるところです。