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No.63 経営で大事なことは「バランス」
2022-09-29

こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
経営者の方々と話をしていると、よく「経営するうえで一番大事なことは何か?」という話題が出ます。
そのときに出てくるキーワードとしては、「売上」「利益」「資金」「顧客満足」「従業員満足」「経営理念」「ビジネスモデル」「差別化」「コミュニケーション」など。
もちろんどれも大事なことですが、「一番は?」と問われると、それぞれの経営者が積み重ねてきた経験や価値観が影響してくるので、答えは当然違ってきます。
人の価値観は良いも悪いもないので、私自身の話をします。
私が一番大事にしていることは何かというと、それは「バランス」です。
経営者の重要な仕事の一つは、意思決定をすること。
その意思決定の際に、「自分は何を軸にして意思決定をするのか」という拠りどころが必要であり、
それが私の場合は「バランス」ということです。
もちろん、クライアントの経営者にアドバイスするときも、「バランス」を常に心がけるようにしています。
世の中では、物事をわかりやすくして、AかBか? ○か✕か? というように
二項対立で表現されることが多いものですが、私は極端に片寄ったところに正解はないと思っています。
経営に関していえば、
・短期と長期のバランス(目先をとるのか未来をみるのか?)
・収入と支出のバランス(売上を上げるのかコストを抑えるのか?)
・自社利益と顧客利益のバランス(価格と価値が見合っているか?)
・会社収益と社員満足のバランス(内部留保と収益還元の割合は妥当か?)
・営業と現場と管理のバランス(特定部門のパワーが強すぎないか?)
・理想と現実のバランス(現状の何を変えれば理想に近づくのか?)
まだまだたくさんありますが、これらのどちらかに極端に片寄ることなく
「ちょうどよいバランス」を追求することが、経営の難しさです。
「今回はこちらに比重を置こう」という判断もあるわけですが、
大事なことは、比重を下げた方の影響もちゃんと考えることです。
また、バランスについては別の視点もあります。
それは、「健全な人や組織」は、バランスが欠けていると
それを修正しようとするエネルギーが働くということ。
人間の体は、多くの細胞や臓器が集まって、それらが独立した機能を果たすとともに、
それらが互いに補完し合い、バランスをとりながら、私たちの体を維持してくれています。
組織も同じように、各個人が個性を活かし、密接に結びついて互いに補完し合いながら
目標達成を目指していけるような「健全な組織」であれば、
組織内のバランスが崩れたときに、バランスをとろうとするエネルギーが働き、組織に活力を生み出します。
経営者が、一方に極端に片寄ることなく全体最適なバランスを考えながら意思決定し、
その考え方を社員と共有し行動を促していけば、「健全な組織」に近づいていけるでしょう。
そのときには、「バランスが大事だからこそ、あえてアンバランスをつくる」という発想で、
「欠け」を作って組織の活力を引き出し、成果と成長につなげることもできます。
経営者として、バランスを考えながら今の最適解を見つけていく思考と、
バランスの力をうまく活用する思考を持っていたいものです。
