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No.4 「組織図」が企業の明暗を分ける

2021-07-22
こんにちは。アオイパートナーズの齋藤です。
今回は、「組織図」についてお話ししたいと思います。

皆さんの会社では、組織図を作っていますか?
私も経営相談を受ける際に、必ず組織図を確認させて頂きますが、今どきはほとんどの会社で組織図を作られています。

組織図とはご存じの通り、組織の構造を一目でわかるように表現した図のことです。
多くの会社では、部門別に在籍している従業員の役職と氏名を記載して図示化していますね。
たしかに、自社にどのような部門があり、どんな役職で誰が存在しているのか、わかるようになっています。

しかし、あえて言うなら、「わかるようになっているだけ」。
もちろん、部門の役割や責任があいまいな組織図は論外ですが、
たとえ責任者や指示系統が明確であっても、これだけでは単に組織構造を図示化しただけです。

そのような組織図を見て感じるのは、「上手く活用する」ことを意図して作っていない、ということです。
皆さんは、組織図を「上手く活用する」ことを考えておられるでしょうか?
そもそも、組織図をうまく活用するとはどういうことでしょうか?


■組織図を作ること=目指す組織を作ること

「組織は戦略に従う」という有名な言葉があります。
これは、経営学者で有名なアルフレッド・チャンドラーの言葉で、
「組織は戦略を最適に遂行するためのものである」という考え方に基づいたものです。

つまり、組織図を作る前に、まずは戦略を考える必要があり、
戦略を推進するため組織を設計することが重要、ということです。

言い換えれば、組織図を作るのであれば、戦略を推進するための組織、
目指す組織のカタチを作って図にするのでなければ意味がありません。
組織図とは「組織が成果をあげるためのツールとして活用すべきもの」なのです。

したがって、組織図作りにおいては、
「自社の事業戦略を推進する上で組織に必要な機能は何か?」いう問いからスタートします。
今ある機能だけでは足りないはずです。
その足りない機能を誰が埋めるのか?
限られたリソースをどのように配分していくのか?
今いる人に機能を割り当てるのではなく、
必要な機能に人を割り当てる、という考え方が重要になります。


■組織設計に必要なのは変化適応

さらに、同じカタチのまま変わらないで生き続ける組織は、世の中にありません。
環境要因が何も変わらなければ組織も変わる必要はありませんが、環境は必ず変化します。
人が毎年ひとつずつ歳をとる、それだけでも内部環境は変わります。
外部環境が変われば、事業戦略も変わって当然です。
組織設計においては、変化する環境にいかに柔軟に適応していくかが重要なことです。

硬直化した組織はさまざまな問題を生み出します。
部門内で起きる問題は部門内で解決できるものがほとんどですが、
厄介な問題は「部門と部門のはざま」で起きます。
経営者は、外部・内部の環境要因の変化を、
部門長任せにせずにしっかりと把握していく努力が必要です。


■組織図作りは経営者の重要な仕事

組織に成果を上げさせること、そのための最適な環境を作ることが経営者の仕事です。
したがって、組織図作りも経営者の重要な仕事の一つであるといえます。
組織は存在すること自体が目的ではありません。
トップが掲げる理念・戦略を達成するために存在します。
今の組織図が、自社の未来を創るための組織図になっていなければ、
今の時点で組織図を見直すことをお勧めします。
未来が不確定である以上、今の時点で理想的な組織図は作れなくて当然ですが、
環境変化に柔軟に対応しながら、目指す組織を構築していってほしいと思います。