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No.66 収益構造の改革と経営計画の見直しが必要

2022-10-20
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。

円安に歯止めがかかりませんね。
1ドル150円というラインを超えるのも時間の問題でしょう。
インバウンド消費の拡大には期待を持てそうですが、多くの中小企業においては、仕入コストの増加による収益悪化が大きな問題となっていますね。

加えて、エネルギーコストの上昇。
電気料はビックリするほど上がっています。
ちなみに弊社の顧問先である町工場も、電気料が1.5倍に跳ね上がりました。

さらには、労働力確保の問題。
日本は賃金が上がっていないという現実があり、中小企業においても賃金を上げていかなければ、
人材確保もままならない状況になりつつあります。
外国人労働者を雇い入れている企業は、円安が進めば雇用の確保はさらに厳しくなるでしょう。

コロナ関連のいわゆる「ゼロゼロ融資」も終わり、過剰債務となっている中小企業が
新規融資を受けるのも難しい状況になってきています。
コロナ融資は別枠とはいっても、返済原資がない企業に新たな融資はできませんから。

新たな融資に頼らずに、事業を継続し借入金の返済をしていくために、
厳しい収益環境の中でいかにしてキャッシュフローを生み出していくか、
経営者の戦略構築力と組織運営力がますます問われてきます。

多くの企業では、今年度の経営計画を立てていることでしょう。
売上・粗利・経費・営業利益について、過去の実績をふまえて、
重点戦略と期待値を加味して策定しているのが一般的だと思います。
その方針を社内で共有して、計画の数字を達成するための具体的な施策を考えて行動し、
成果を確認しながら次の手を打つ。
このマネジメントサイクルを回して成果をあげるためにも、少なくとも単年度計画は必須です。

では、その計画値に対して、現実の実績値はどうでしょうか?
今現実に起きている消費の変化や原価・経費の上昇を見込んで
売上や利益の計画を立てられていた企業は、少ないのではないでしょうか?

過去の実績をベースに組み立てた経営計画は、すでに意味をなさないものになっているかもしれません。
現実に合わない計画の数字を社員に要求し続けても、現場は疲弊し、
成果が出ない理由を環境のせいにする他責の風土を生み出してしまうだけです。

円安もコスト上昇も労働力不足も、外部環境の変化であり、コントロールできませんね。
環境変化に合わせた、収益構造の抜本的な改革が急務です。
その旗振りができるのは、会社全体の収益構造を把握している経営者だけです。
つまり、経営者自身が自社の収益構造を把握していることが大前提です。

製品・商品別の仕入交渉、新たな仕入れルートの開拓、顧客別の収益把握とターゲット顧客の明確化、
適正な価格改定、新たに付加する価値、適正な人員配置と賃金改定、人件費総額と固定経費の見直し…。
やるべきことは山ほどあります。
経済環境が変われば…、コロナが落ち着いて人が動き出せば…、国が支援策を出してくれれば…、
などの妄想は捨てなければなりません。

期初に立てた経営計画が、現実と大きく乖離してしまったら、勇気をもって修正計画を立てるべきです。
それは、単なる下方修正ではなく、抜本的な収益構造の改革を含むものでなくてはなりません。
その明確な方針と計画に基づいて、現場にやるべきことを要求することで、
強い収益体質の構築を目指してほしいと思います。
厳しい経営環境はまだまだ続きそうですが、ここで強い収益体質を作れるかどうかが勝負です。