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No.70 第8回「マネ研」~やり方を変えたくない人への対応~

2022-11-17
カテゴリ:マネ研(組織マネジメント研究会)
こんにちは、アオイパートナーズ久保田です。
先週、組織マネジメント研究会「マネ研」の第8回目の月次勉強会を実施しました。
テーマは「今までのやり方を変えたくないという部下(人)にどのように対応しますか?」です。

以前にも、「やるべきことをやらない社員の動かし方」「社員に危機感を持たせるには」というテーマを取り上げました。
似ているけれど、少しニュアンスが違います。
組織の目的達成のためにやり方を変えてもらわなければならない時に、
「やるべきことはやるけれど、やり方は変えたくない人」や、
「危機感は持たなくてもいいけれど、やり方を変えない人」を放っておいていいのか?という問題意識でテーマとしました。

参加者からは以下のような発言がありました。

 ・やり方を変えたくない理由を聞く
 ・やる目的、やるべき理由、メリットなどを含め頻繁に話す
 ・マネージャーから伝えてもやり方を変えないなら社長から話してもらう
 ・システムを変え、やらざるを得なくする
 ・行動を評価制度と繋げている
 ・変えてもらうのをあきらめ、手順を追って退職勧告した
 ・先代から経営を引き継いだ時、1年は言わなかった(時機を見ていた)
 ・年配の行動を変えるのは難しいから若手から動かす
 ・やり方を変えてもらいやすい(相手が好む)言い方をする

対応の仕方はマチマチですが、参加メンバーが所属する組織の特徴や状況を踏まえると、
なるほどという感じでした。

多くの参加メンバーが挙げていたのが「聞く」ことです。
もっともなことですね。
望ましい行動をとることを拒む人に対して行動を促すには、まず、拒む理由・原因を知る必要があります。
原因が異なれば、効果的な対応策も異なるからです。
ということで、やり方を変えたくない部下(人)に対応するためには、
なぜ変えたくないのか?、やり方を変えたくない人の心の中はどうなっているのか?を知る必要があり、
それには、本人に聞いてみるのが早い。
本人に望ましい行動をとらない理由を「聞く」際には「共感」が大切です。
「共感」を持って聞かないと、「責める」聞き方になりやすい。
聞かれた方が「責められている」と感じてしまうと、反発を強めかねませんし、
信頼関係の弱まりにつながる可能性もあり長期的に見ても得策ではありません。
「共感」とは、相手と同じ感情を自分も持っているということ。
自分も同じように望ましい行動をとりたくない気持ちになる時がある、と感じているということです。
では、どうしたら「共感」を持てるのでしょうか?

それは、自分自身に問うこと。
今回のテーマでいえば、自分にもやり方を変えたくなかった時があるはず。それはどんな時か?
やり方を変えなかったことはあるか?それはなぜか?
やり方を変えられた時、なぜ変えられたのか?
このように、自分自身について考えることで、自分の特徴や自分を動かすポイント・コツが見えてきます。
同様に、他者にも特徴や、行動を促すポイント・コツがある。
そういう思いを持って、聞く。
それが、「共感」を持って聞く、ということです。

やり方を変えたくない人の特徴や、行動を変えるコツを探り当てられたら、次が効果的に関わる段階です。
マネ研メンバーの発言にもあったように、相手が好む言い方も活用できます。
ドラッカーの言葉にも、
「受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。
期待を知って初めてその期待を利用できる。」
というものがあります。
とはいえ、先のドラッカーの言葉の後には
「あるいはまた、受け手の期待を破壊し、予期せぬことが起こりつつあることを
認めさせるためのショックの必要を知る」
と続いていますが…。

いずれにしても、組織の目的達成のための手段として、人の特徴や期待を知り、活用したいものです。
組織の目的が正しく設定されているのであれば、それを達成することは、
組織に関わる人たちにとっても望ましいものであるのですから。