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No.90 あらためて理念経営の意味を考える

2023-04-13
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
4月から新年度のスタートということで、特に3月決算の企業は、新年度の目標達成に向けて本格的に動き始めていることでしょう。

弊社も、新年度を迎えたクライアント数社の経営計画策定を支援させていただきました。
年度経営計画は、大まかには当期の経営方針・重点戦略・数値目標などを明らかにしていくものですが、その大前提になるのが企業理念(経営理念)です。

理念は、人を駆り立て、共感と支持を生み出すものですから、
毎年の経営計画の冒頭には必ず全員で確認すべきものです。
しかしながら、経営者の皆さんの中には、理念がもたらす意味や価値について腹落ちしていない方も見受けられます。

そのような経営者の方々に、あらためて理念経営の意味をしっかりわかって欲しいと思い、
以下のとおり思い付くままにまとめてみました。

・理念とは、Mission(使命:私たちが存在する意味)、Vision(展望:私たちが目指すもの)、
Value(約束:私たちが大切にすること)を言葉で表現したもの。

・理念はあった方がいいという次元のものではない。あるのが当然。理念はいわば会社の憲法であり、
会社のすべてのルールの上位概念である。

・中小企業は社長次第。どんな会社でも最終的には社長の意思決定がすべての方向性を決める。
その意思決定は何に基づいて行われているのか?その判断軸が理念である。
判断軸がないと「その場しのぎ、行き当たりばったり、出たこと勝負」で一貫性のない意思決定になってしまう。
それでは持続的な成果が出るはずがない。

・社長も人間。迷うことも多いはず。その時に振り返れる場所が理念である。
判断軸が明確になっていれば、社長は迷わなくなる。ぶれなくなる。意思決定が速くなる。
判断に一貫性が持てる。その結果、組織に向けた指示やアドバイスがスピーディになり、分かりやすくなる。
そうすると組織全体の考え方や行動が社長の方針と一致し、成果を早く出せる。
そのことが業績アップにつながっていく。

・社長の判断軸が共有されている組織は問題解決力が高い。つまり、理念が明確になっていて、
その意味が社内で共有され行動につながっている会社は、お客様から支持され、結果として業績が伸びている。
理念経営=ブランディングである。

・理念は、社長が「何のために、何を大切にして、何を目指していくのか」という思いを言葉にすることから始まる。
社長自身が腹に落ち、コミットできないと意味がない。
なぜなら、社長自身が理念に基づいて判断し行動しているということが、理念が組織に浸透する絶対条件だからである。
社長が社員をコントロールするために作った理念では、絶対に組織に浸透しない。

・我々は業務活動の中で日々問題解決をしている。仕事とは問題解決をしていくこと。
その日々の問題解決の判断軸が理念である。
理念の意味を社内で共有できたら、社長は自分自身に対しても社員に対しても、
常に理念に基づく判断を要求していかなければならない。
さらに、理念と業務をつなぐ仕組みを作らなければ習慣として定着しない。業績向上につながらない。
なぜなら、人は組織の仕組みの中で動くからである。
戦略・目標・計画・管理・業務・教育・評価、それぞれがすべて理念を軸に仕組み化されていなければならない。

・変化に対応していくのが企業。でも多くの企業は変化に対応できず変化に翻弄されている。
それは、変化を先取りする基準となる価値観、未来を創る指針となる羅針盤、
つまり理念が明確になってないからでもある。

・社長が自分一人で理念を言語化しようとして自問自答していても、深く考えて言葉にすることは難しい。
堂々巡りになりがち。
他者からの質問が有効であり、それも全体最適の問題解決につながるような多様な視点からの的確な質問が必要である。
弊社が理念作りを支援する意味はそこにある。

いかがでしょうか?
理念経営は、ちゃんと運用できれば底知れないパワーを発揮します。
まだ理念作りに着手していない経営者の皆さんには、あらためて興味をもっていただけたら幸いです。