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No.91 会議でどんな数字を追求していますか?

2023-04-20
こんにちは、アオイパートナーズの齋藤です。
前回のブログでは、新年度の経営計画の策定・実行に当たって企業理念(経営理念)の共有が大前提となるため、あらためて理念経営の意味についての私見を書かせてもらいました。
今回は、経営計画の目標設定とフォローアップについて書きたいと思います。

「目標を達成できなければ利益を出せなくなる。そうなればみんなの生活も守れなくなってしまう。
だから目標達成を目指して頑張ってほしい!」
と言って、会議で社員にハッパをかける社長を見かけます。
社長としては、社員一人ひとりが「もっと頑張らなきゃ!」と奮起してくれることを期待しているのでしょうが、
多くの場合はみんな黙ってうつむいたまま…。
無言ながらも、「できることはやってます! 社長なんだからもっと具体的に指示して下さい!」
という心の声が聞こえてきそうです。

このような精神論しか出てこない会社は、そもそもの目標設定自体に問題があると言えます。
経営計画で織り込む目標は、財務目標が中心となり「売上目標」「粗利目標」「営業利益目標」などが一般的で、
ほとんどの会社で設定されているでしょう(適正な目標値になっているかどうかは微妙ですが…)。
しかし、目標未達が常態化している会社の多くは、その財務目標を達成するための要素分解をしていません。
何をどうすれば、売上目標や利益目標の達成に近づくのか?
大事なのは、売上・利益を構成する要素(現場の業務目標)のはずなのに、
この目標が設定されていない会社がとても多いのが現実です。

「売上目標は○○万円、利益目標は○○万円、必ず達成するように!」と言われても、
現場の行動にはつながりにくいでしょう。
「会社の売上・利益の目標達成に貢献したいけど、自分の担当業務で何をすればいいかわからない」
という社員の声を直接聞くこともあります。
頑張りたい社員のやる気を活かせない…、もったいない話です。

例えば、売上目標を達成するためには、お客様の声を基準に改善する領域を特定して、
何に取り組むかを検討するでしょう。
その施策が効果的かどうか判断するには、進捗状況を測定する指標を設ける必要がありますね。
組織の業務プロセスや活動の効果・効率を常に数字で把握するための指標です。
その中でも特に注視すべき指標が、KPI(Key Performance Indicator)です。

売上の構成要素は、業種ごとにある程度共通するものですが、
KPIとその目標値をどう設定するかは会社によって違ってきます。
自社の商品・サービスの特徴や競合他社との違い、既存・新規マーケットへの提供価値、
組織能力の違いなどに基づく、戦略実行ための指標がKPIですから、会社ごとに違うのは当然です。
売上KPIなら、本当に売上増加につながるKPIになっているかどうかが極めて重要です。

このKPIを設定することにより、組織や個人の目標や進捗状況が数値で明確になり、共有化が可能になります。
「自分が何をすれば会社の目標達成に貢献できるかわからない」という社員はいなくなります。
会議において、メンバー間で現状認識が統一しやすくなり、改善策を考える目線も合わせやすくなります。
要するに、みんなが同じ方向を向いて頑張りやすくなるということですね。

こうなれば、業績アップ→評価還元→モチベーション向上という好循環が生まれやすくなるでしょう。
ぜひとも目指していただきたいものです。

あなたの会社の会議では、売上・利益目標と同時に、どんな数字を追求していますか?